主日礼拝メッセージ:金子辰己雄師

【聖書箇所】

ネヘミヤ6:1~19:

【タイトル】

「ネヘミヤ(11)―専心し続けるネヘミヤ―」

【序論】

 ネヘミヤは、エルサレムに戻って城壁政権工事を開始したが、さまざまな問題が起きて困難を極めた。しかし、ついに城壁の再建工事の完成が告げられた。

Ⅴ15:「こうして、城壁は五十二日かかって、エルルの月の二十五日に完成した。」

 エレミヤはどのようにして多くの困難の中で工事の完成に辿り着いたのか、今までの個所を振り返ってみれば分かるが、今日は、今日の個所にあるように、もう少しで工事が完成するという時に起きたある妨害行為に対して取ったネヘミヤの行動に目を留め、私たちの教会生活や信仰生活、また教会形成の働きにも似たような事例が生じる場合があるが、そのような時、私たちはどのような行動を取ればよいのか、御一緒に考えてみたい。

【本論】

 どのような妨害行為が起きたのだろうか?―2つある。

(1)人の言葉、評判、噂によって恐れさせ、工事を中断させようとする陰謀。

Ⅴ2~Ⅴ7:「サヌバラテとゲシェムは私のところに使いをよこして言った。『さあ、オノの平地にある村の一つで会見しよう。』彼らは私に害を加えようとたくらんでいたのである。そこで、私は彼らのところに使者たちをやって言った。『私は大工事をしているから、下って行けない。私が工事をそのままにして、あなたがたのところへ下って行ったため、工事が止まるようなことがあってよいものだろうか。』すると、彼らは同じようにして、四度も私のところに人をよこした。それで私も同じように彼らに答えた。サヌバラテは五度目にも同じようにして、若い者を私のところによこした。その手には一通の開封した手紙を持っていた。それには次のように書いてあった。『諸国民の間に言いふらされ、また、ゲシェムも言っているが、あなたとユダヤ人たちは反逆をたくらんでおり、そのために、あなたは城壁を建て直している。このうわさによれば、あなたは彼らの王になろうとしている。また、あなたはエルサレムで、自分について宣言させるために、預言者たちを任命して、『ユダに王がいる。』と言わせている。今にこのようなことが王に聞こえるであろう。さあ、来なさい。いっしょに相談しよう。』」

サヌバラテやゲシェムは、城壁が今にも完成されようとしていることを聞き、ある陰謀を企てた。それは、会見を開くから、会見する場に来るようにと言う誘いである。その誘いにより、その場か、或いは途中でネヘミヤに害を加えようと企んだ。しかし、ネヘミヤはその誘いに乗ることはなく、次のように言っている。

Ⅴ3:「そこで、私は彼らのところに使者たちをやって言った。『私は大工事をしているから、下って行けない。私が工事をそのままにして、あなたがたのところへ下って行ったため、工事が止まるようなことがあってよいものだろうか。』」

 どういう会見目的だったのか分からないが、単に話し合おうというだけではネヘミヤは来るわけはないので、ネヘミヤはこの時エルサレム地方の総督としてペルシャの王に立てられていたので、近隣のホロンの町の総督であったサヌバラテやアラブ人のゲシェムから、何か総督に関わるような大事な案件について話し合おうと言う誘いであったのかもしれない。しかし、その話合いの目的が何であったにせよ、この時のネヘミヤにとっての第一のことは城壁再建工事の完成である。その完成に至らせるのがネヘミヤのゴールだったので、このような返事を送ったのである。

※このように、目標がはっきりと分かって、それに向かって専心することがビジョン実現の、使命達成の秘訣である。

 そんなネヘミヤからの返事をもらい、彼らはさらに次の陰謀を考えた。それは、偽りの噂を流し、恐れを抱かせることで工事を止めさせようとする、脅しによる妨害である。

Ⅴ5~Ⅴ9:「サヌバラテは五度目にも同じようにして、若い者を私のところによこした。その手には一通の開封した手紙を持っていた。それには次のように書いてあった。『諸国民の間に言いふらされ、また、ゲシェムも言っているが、あなたとユダヤ人たちは反逆をたくらんでおり、そのために、あなたは城壁を建て直している。このうわさによれば、あなたは彼らの王になろうとしている。また、あなたはエルサレムで、自分について宣言させるために、預言者たちを任命して、『ユダに王がいる。』と言わせている。今にこのようなことが王に聞こえるであろう。さあ、来なさい。いっしょに相談しよう。』そこで、私は彼のところに人をやって言わせた。『あなたが言っているようなことはされていない。あなたはそのことを自分でかってに考え出したのだ。』と。事実、これらのことはみな、『あの者たちが気力を失って工事をやめ、中止するだろう。』と考えて、私たちをおどすためであった。」

 「一通の開封した手紙」とあるが、開封した手紙であれば、それがもう他の人の目に入っていると言うことを暗示させるもので、それだけで恐れを抱かせるに足りるものであるが、ネヘミヤはその内容が、「あなたが言っているようなことはされていない。あなたはそのことを自分でかってに考え出したのだ。」(Ⅴ8)と言って退けている。フェイクニュースという言葉はもう古くなったが、ネットでは、相変わらず事実を曲げたり誇張したりと、偽りの情報がまことしやかに流れている。そういうものに限って、何故か人の噂に上って拡がって行く。それがある個人に対して、誹謗中傷となるとき、場合に依れば命を奪う事態にまで発展することもある。言葉には大きな力がある。彼らは、これらのフェイクニュースによって、ネヘミヤを脅そうとしたのである。次に、人の言葉、噂はネヘミヤには通用しないと分かると、

(2)神の言葉と思わせて、従わせようとする陰謀。

Ⅴ10~Ⅴ13:「私がメヘタブエルの子デラヤの子シェマヤの家に行ったところ、彼は引きこもっており、そして言った。『私たちは、神の宮、本堂の中で会い、本堂の戸を閉じておこう。彼らがあなたを殺しにやって来るからだ。きっと夜分にあなたを殺しにやって来る。』そこで、私は言った。『私のような者が逃げてよいものか。私のような者で、だれが本堂に入って生きながらえようか。私は入って行かない。』私にはわかっている。今、彼を遣わしたのは、神ではない。彼がこの預言を私に伝えたのは、トビヤとサヌバラテが彼を買収したからである。彼が買収されたのは、私が恐れ、言われるとおりにして、私が罪を犯すようにするためであり、彼らの悪口の種とし、私をそしるためであった。」

 シェマヤは職業的預言者なので、預言者の口から出る言葉なら、神に忠実なネヘミヤであれば従うと考えたのであろう。しかし、ネヘミヤの言葉にあるように、彼はトビヤやサヌバラテによって買収されたのである。その目的は、Ⅴ13:「彼が買収されたのは、私が恐れ、言われるとおりにして、私が罪を犯すようにするためであり、彼らの悪口の種とし、私をそしるためであった。」

 ネヘミヤがそしられることにより、城壁再建工事が完成されないようにしたのである。ところが、ネヘミヤはもう既にそのことを見破っていて、このように語った。そうして、終に、工事は完成した。

Ⅴ15:「こうして、城壁は五十二日かかって、エルルの月の二十五日に完成した。」

 多くの妨害や脅しようなことがあったにも関わらず、どうして工事は完成したのだろうか?―それは勿論ネヘミヤ一人の功績に依らず、民にやる気があったからだとか(4:6)、3章で見たように、人々はそれぞれの持ち場で、互いに協力し合い、共に一つの目標に向かって働くという心があったからだとか、民の側の要因もあったが、やはり、

Ⅴ3:「そこで、私は彼らのところに使者たちをやって言った。『私は大工事をしているから、下って行けない。私が工事をそのままにして、あなたがたのところへ下って行ったため、工事が止まるようなことがあってよいものだろうか。』」や、Ⅴ11:「そこで、私は言った。『私のような者が逃げてよいものか。私のような者で、だれが本堂に入って生きながらえようか。私は入って行かない。」のように、指導者としてのネヘミヤに、明確なビジョンと使命感、使命達成への強い思い、諦めない心、恐れない心があったからである。

 と同時に、問題や困難に直面した時にこそ働く、神に対する信仰による祈りがあった。

Ⅴ9:「事実、これらのことはみな、『あの者たちが気力を失って工事をやめ、中止するだろう。』と考えて、私たちをおどすためであった。ああ、今、私を力づけてください。」

Ⅴ14:「わが神よ。トビヤやサヌバラテのあのしわざと、また、私を恐れさせようとした女預言者ノアデヤや、その他の預言者たちのしわざを忘れないでください。」

◎確かにこれで、城壁再建工事は無事終わった。Ⅴ16:「私たちの敵がみな、これを聞いたとき、私たちの回りの諸国民はみな恐れ、大いに面目を失った。この工事が、私たちの神によってなされたことを知ったからである。」これで、ハッピーエンドか、と思われたが、しかしネヘミヤ記は続けて、現実はそうではないことを記している。

Ⅴ17~Ⅴ19:「また、そのころ、ユダのおもだった人々は、トビヤのところにひんぱんに手紙を送っており、トビヤも彼らに返事をしていた。それは、トビヤがアラフの子シェカヌヤの婿であり、また、トビヤの子ヨハナンもベレクヤの子メシュラムの娘を妻にめとっていたので、彼と誓いを立てていた者がユダの中に大ぜいいたからである。彼らはまた、私の前でトビヤの善行を語り、私の言うことを彼に伝えていた。トビヤは私をおどそうと、たびたび手紙を送って来た。」

 エルサレムにいたユダヤ人の社会は、その中にいた人々、それも主だった人々は、ネヘミヤの城壁再建工事に反対していたトビヤと深い関わりがあったのである。トビヤは、約90年近く前にゼルバベルたちとエルサレムに戻っていた民の一人アラフの子シェカヌヤの婿になっていたり、彼の子ヨハナンもメシュラムの娘を妻に娶っていたりと、血縁関係を結んでいたのである。再建工事は終わっても、それですべて終わりで、バラ色になったわけではないことが分かる。しかし、ネヘミヤそれでも彼らに屈することなく、これから人々にとって必要な霊的な改革、霊的な城壁再建工事に、この後、エズラと共に取り掛かるのである。

【結論】

 私たちもまだ城壁は工事中。だから私たちもネヘミヤのように最後まで諦めず、ビジョンと使命感をしっかりと持って、専心して取り掛かって行こう。戦いはネヘミヤたちにあったように、私たちにもある。しかし、私たちはそれが完成するまで行なうのである。

ピリピ1:27~30:「ただ一つ。キリストの福音にふさわしく生活しなさい。そうすれば、私が行ってあなたがたに会うにしても、また離れているにしても、私はあなたがたについて、こう聞くことができるでしょう。あなたがたは霊を一つにしてしっかりと立ち、心を一つにして福音の信仰のために、ともに奮闘しており、また、どんなことがあっても、反対者たちに驚かされることはないと。それは、彼らにとっては滅びのしるしであり、あなたがたにとっては救いのしるしです。これは神から出たことです。あなたがたは、キリストのために、キリストを信じる信仰だけでなく、キリストのための苦しみをも賜ったのです。あなたがたは、私について先に見たこと、また、私についていま聞いているのと同じ戦いを経験しているのです。」

―祈り―

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